DiscourseでJavaScriptのパフォーマンス変化を測定するためにGoogleの『tachometer』を使用

Discourse のコア/プラグイン/テーマでクライアントサイドの作業を行う際は、パフォーマンスへの影響を考慮することが重要です。Google の「Tachometer」プロジェクトは、統計的に厳密なベンチマークツールを提供しており、変更の影響を確実に測定するために使用できます。

基本的に、このツールは URL のリストを受け取り、それらを「ラウンドロビン」方式で読み込みます。各ページ読み込みで、パフォーマンス測定を行います。数百回/数千回の反復の後、比較表が生成されます。

この「ラウンドロビン」アプローチの利点は、測定への外部要因の影響を軽減するのに役立つことです。

ステップ 1: performance.measure() を追加する

アプローチは、テストする内容によって異なります。しかし、基本的に、Tachometer が読み取る performance.measure() 値を導入する必要があります。

Discourse の起動とレンダリングにかかる時間を測定したい場合は、組み込みの「discourse-init-to-paint」測定値を使用できます。それ以外の場合は、独自の performance.measure を導入して使用できます。

ブラウザの開発者ツールのパフォーマンスタブを使用して、それが機能していることを確認できます。

ユーザー操作を必要とするアクティビティ(例: メニューを開く)を測定しようとしている場合は、ページが読み込まれてから 1 秒後にボタンをクリックするように、初期化処理に次のようなものを追加することで実現できます。

setTimeout(() => document.querySelector(".my-button").click(), 1000);

ステップ 2: テストする URL を特定する

まず、Ember アセットを本番モードでビルドしていることを確認してください。これは、サーバーを EMBER_ENV=production で起動することで実現できます。

2 つの異なる URL を取得するには、主に 2 つのアプローチがあります。

変更が十分に小さく、簡単に機能フラグを設定できる場合は、URL クエリパラメータに基づいてそれを切り替えるロジックを追加できます。その後、2 つの URL は次のようになります。

http://localhost:4200?flag=before
http://localhost:4200?flag=after

変更がそれには大きすぎる場合は、Discourse を 2 番目のディレクトリにクローンし、2 番目の ember-cli コピーを起動できます。次のようなコマンドを使用して、同じ Rails サーバーにプロキシできます。

EMBER_ENV=production pnpm ember serve --port 4201 --proxy http://localhost:3000

その後、2 つの URL は次のようになります。

http://localhost:4200
http://localhost:4201

このアプローチを採用する場合は、両方のアプリコピーに、このガイドのステップ 1 で導入したパフォーマンステレメトリが含まれていることを確認してください。

ステップ 3: Tachometer を設定する

これは私の bench.json ファイルで、各ターゲットの 300 サンプルを取得します。

{
  "timeout": 5,
  "sampleSize": 300,
  "benchmarks": [
    {
      "measurement": {
        "mode": "performance",
        "entryName": "discourse-init-to-paint"
      },
      "expand": [
        {
          "url": "http://localhost:4200",
          "name": "before"
        },
        {
          "url": "http://localhost:4201",
          "name": "after"
        }
      ]
    }
  ]
}

ステップ 4: ベンチマークを実行する

ノイズを減らすために、ワークステーションでの無関係なアクティビティを停止し、次のようなコマンドでベンチマークを開始します。

npx tachometer@latest --config ./bench.json

完了すると、変更前後のパフォーマンスの比較が表示されるはずです。

注意事項

このような実験には、限界を考慮する価値があります。たとえば、次のとおりです。

  • 開発ワークステーションでのパフォーマンスの違いは、他のブラウザ/デバイスに直接マッピングされない場合があります。

  • Ember-CLI プロキシを介した Discourse の起動プロセスは、本番環境とは正確には同じではありません。構造的な変更(例: フレームワークの更新)を行う場合、これは重要になる可能性があります。

  • パフォーマンスは、アプリケーションの状態(例: レンダリングされるトピックの数)によって変動することが多いため、結果が他の環境で正確に再現可能ではない場合があります。


このドキュメントはバージョン管理されています。変更は GitHub で提案してください。

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